設立趣旨

 2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故では、大量の放射性物質が放出され、広範囲にわたる地表、建物、森林などを汚染しました。事故から約2年半の時間が経過し、2012年1月1日から施行された放射性物質汚染対策特措法に従い、国や市町村による本格除染が行われてきました。

 このような広範な居住地域の除染は世界でも例のない取り組みであり、除染作業、及び、これによって生じる除去土壌や廃棄物の処理・処分に関する技術的、あるいは、社会的な問題が次第に明らかになってきました。このために、国は「除染推進パッケージ」を策定して、福島の復興・再生の基盤となる除染のさらなる加速を図るとともに、国や福島県による技術実証事業を通じて除染に関する技術実証事業などを通じた新しい技術の除染への適用も目指してきました。2013年9月には環境省から「除染の進捗状況についての総点検」が発表され、これまでの2年間の除染事業を振り返った上で、今後の、除染の加速化・円滑化のための施策、除染事業の実施後のフォローアップ、河川・湖沼や森林の除染、帰還困難区域の除染、といった今後の課題が示されました。また、2013年12月には、除染特別地域内除染実施計画の改定が行われ、個々の市町村の状況に応じて、除染計画が見直されました。

 2015年には、除染により除去された土壌や廃棄物を30年程度貯蔵する中間貯蔵施設建設の端緒として保管場を建設し、また、パイロット輸送として仮置場から保管場までの輸送も始まりました。今後は、新しい技術の適用によるさらなる除染の加速と、大量の土壌や廃棄物の仮置き場から中間貯蔵施設への輸送や土壌・廃棄物の減容処理方法の開発などの中間貯蔵に関連する技術的問題の解決が必要となってきます。

 「除染・廃棄物技術協議会」は、2011年11月に、放射能汚染という未曾有の国難に対する企業の社会的責任の一環として、産業界が除染や廃棄物の処理・処分において主体的な役割を果たし、一連の除染活動の円滑な遂行にも積極的に貢献していくことを目的として設立しました。これまで、12回の定例会を通じて会員相互及び国や地方自治体との意見や情報の交換を行うとともに、ワーキンググループ活動を通じて、除染効果評価のための線量測定方法、焼却灰の処理方法、焼却施設の安全性確保、除去土壌の再利用、ステークホルダとの対話といった課題に対して、具体的な方法の提示や提案を行ってきました。

 2013年から除染は新たなフェーズに入ってきており、より一層の産業界の協力が必要とされています。さらに、中間貯蔵施設の建設は、これまでにもあまり例が無い16km2にも及ぶ巨大な土壌・廃棄物取扱施設の建設であり、同施設の運用に伴う2000万m3を超える放射性物質を含む土壌の輸送も初めての試みで、ますます企業の持つ技術が重要となってきます。このような社会の要請に応えるべく、除染・廃棄物技術協議会は、これからも、除染や放射性物質に汚染された廃棄物等の処理・処分に関する国や地方自治体の取り組みを、企業の持つ技術によって支援することにより、福島県、及びそれ以外も含む除染の対象となる地域の環境回復と復興に資することを目的として、活動を続けていきます。さらに、除染の目的である被災地域の環境回復及び復興にも目を向けて、これに資する活動を行っていきます。

「除染・廃棄物技術協議会」の会員企業等

代表幹事:鹿島建設株式会社
幹事:
(五十音順)
株式会社アトックス
大成建設株式会社
東京パワーテクノロジー株式会社
DOWAエコシステム株式会社
日本ガイシ株式会社
一般会員:69社 (2017年5月9日現在)
発起人:東京電力ホールディングス株式会社
協議会事務局:株式会社三菱総合研究所